2013年、ドラッカーの言葉をもう一度噛みしめる。

新年、明けましておめでとうございます。

本年もよろしくお願いいたします。

 

早いもので、平成の世になって四半世紀が経過しようとしています。

平成25年(2013年)は、国内の中小企業にとってどのような年になるでしょう?

 

今年の前半は、円安や自民党政権による支援(バラマキ?)施策によって一息つける企業も多いかもしれません。

しかし、これらの追い風に甘んじることなく自社の課題に対してしっかり取り組む企業と、甘んじて課題を先送りにする企業とでは、追い風が過ぎ去った後の明暗が大きく分かれるのは間違いありません。

 

年末12月30日に、現代を代表する経営者である孫正義氏のインタビュー記事が日経新聞に掲載されていましたが、その中で彼はこんなことを言っていました。

 

「経営者のもっとも重要な仕事は、ドメイン(事業領域)を常に再定義することだ。日本企業は『本業』という言葉が好きだが、市場が縮小するのに既存事業にしがみつく理由は何か。企業理念を軸に次の戦略を描くのが経営者の役割だ。」と。

 

彼は、「ドメイン(事業領域)を常に再定義せよ」という表現をしていますが、これはドラッカーの言う「企業の目的は顧客の創造」に相通じるものがあると思います。

 

すなわち、「今稼げている事業が安泰でないこと」を前提として、時代の流れや環境の変化を読み取り、次の顧客ニーズ(事業機会)はどこにあるのかを経営者は常に問い続けながら、ドメイン(事業領域)を再定義することこそが企業の目的(=経営者の役割)である、とドラッカーも孫正義氏も説いているのだと思います。

 

思い返せば、このブログで紹介した企業の中でも、ブラザー工業は「本業」であるミシン製造から、プリンタやFAXなど事務機器の製造に乗り出し、また富士フイルムは「本業」であるフイルム製造から、『写るんデス』やデジタルカメラ、さらには化粧品までドメイン(事業領域)を広げています。

 

いずれの企業も、孫氏の言う『本業』にこだわり続けていたら、とても現在のような発展はありえなかったことでしょう。

 

翻って、翌日の12月31日の報道によると、「政府が、電機や素材など国内製造業の競争力強化に向け、公的資金による工場や設備の買い取りを検討している」とのこと。

公的資金で工場買い取り=製造業支援で検討―政府

国策として「製造業」を国内にとどめ置くため、あくまで「本業」をやり続けましょう、と奨励しているように思えてなりません。

参考)

国が1兆円もかけて電機メーカーの設備を買い取るらしい

 

確かに、製造拠点が国内にとどまり多くの雇用が維持されるのは、目先を考えればありがたいことです。

しかし、それはメーカーが「顧客を創造」し続け、世の中の人々が「欲しい」と思えるような製品をつくってこそ。

 

残念ながら、経営危機にあるシャープやパナソニックが世に出す最近の製品を見ると、首をかしげざるを得ません。

参考)

朝起きたらLモードが復活していた。夢でも見てるのかと思った

 

果たして「顧客の創造」を実現できていない企業が、今のままの企業体質を残したまま、国がこれらの企業を支援することが正しいと言えるのか、非常に疑問が残ります。

 

仕事がら、伝統工芸品やかつては隆盛をきわめた地場残業の業種である事業者を支援することが多いですが、これらの企業支援においても、「この企業のドメイン(事業領域)はどこか?」から問い直した上で、あるべき姿に導いていくことが、企業支援において必要がある、と改めて感じた孫氏の言葉でした。

 

同時に、自分自身についても「自分自身がこの地域の中小企業のために何ができるか」を問い続け、ドメイン(事業領域)を再定義することによって、新たなサービスを開発、提供して参りたいと思います!