「ビジョン」を掲げる大切さ

 経営計画策定の際、まず初めに明確にすべきこととして「経営理念」と「ビジョン」があると、経営の教科書によく書かれています。

 

 「経営理念」と「ビジョン」、両社はよく混同されがちですが、しっかりとした区別が必要です。「経営理念」とは、わが社が何のために存在するのか、わが社は事業を通じて何を世の中に提供し、貢献していくのか、その「思い」を形に表したものです。

 

 それに対して、「ビジョン」とは、「経営理念」を具体的な形に表したもの。「経営理念を実現するため」の、「わが社の将来像」を“見える化”したものです。「ビジョン」が明確になることで、その実現のために何をすべきか、戦略や具体策に落とし込むことができるわけです。

 

 さて、昨今のニュースからも「ビジョン」を具体的に掲げることの大切さを学ぶことができます。

 

 例えば、アップルが世の中に提示したiPhoneやiPad。 
スティーブジョブス氏は、「現代の人々は、本当に欲しいものが何かをわかっていない。こちらが具体像を提示することで、人々は本当に欲しいものが何であるかを悟る。」と述べています。

 iPhoneやiPad等のProduct(製品)は、「コンピュータでライフスタイルを革新する」という同社の理念を具現化した、“ビジョン”そのものであるといってよいでしょう。

 

 さて、国内に目を向けると昨今の話題として、「東京大学が全面的に秋入学へと転換」することを表明しています。日本の風習である「春入学」を尊重し続けるべきか、世界の潮流である「秋入学」に転換すべきかは、以前から賛否両論が入り乱れていました。

 しかし、このたび(日本の大学のトップに位置すると一般には認識されている)東京大学が、明確に「秋入学」への転換を打ち出したことで、政府内からも好意的なコメントがジワジワと出てきています。

 

大学秋入学 政府も支援へ 首相「官民挙げて議論を」


首相、秋入学を支援 「人材育成の観点から評価」

 

 「様々な意見が入り乱れ、結局何も決まらない」という事態は、政治の世界のみならず私たちの周りでもよく見 られます。しかし、東京大学が覚悟をもって「ビジョン」を明確に打ち出すことで賛同者が現れ、日本社会の変革が進んでいくものと思われます。

 

 「今のままではいけない」、「わが社も変わらなければ」とお考えの経営者様は、まずは「ビジョン」を明確に定め、それを社内に表明することから始めてはいかがでしょうか?